ファーストキス
[第5話]
美緒(井上真央)の秋生(平岡祐太)への思いを知った翌朝、和樹(伊藤英明)は美緒の部屋の前にたち、ドア越しに「今までお兄ちゃん、デリカシーがなかった。好きな人は自分で見つけるべきだよな」と話しかける。その様子を見た勝(阿部サダヲ)は、一流(劇団ひとり)が美緒のこと好きらしいと和樹に言う。慌てて否定する一流に、和樹も「美緒の相手がおまえじゃ困るよ」と笑う。08/06放送
そこに美緒が帰ってきた。美緒は食事当番のため、買い物に行っていたのだ。
するとそこに、和樹のアシスタント仲間・諸畑(蕨野友也)がやってくる。諸畑は、師匠の番場(竹中直人)から、表参道あたりで写真展のチケットをさばいてくるよう命じられたのだという。和樹は、美緒のことを心配しながらも、諸畑と街に出て写真展のチケットを売りに出かけてしまう。
残された美緒は、一流や勝と朝食をとった。今日の一流は、仕事がオフだ。一流が本当に美緒のことを好きだと知っている勝は、気を利かせて、ふたりでどこかに出かけてくればと言って仕事にでかける。一流は「おれは、つきあってやってもいいけど。夏が終わったら帰っちゃうんだから東京見物しても」というが、美緒は約束がある、と嘘をついて一流の誘いを断り、出て行ってしまう。
とはいえ、行くあてもなくひとりでブラブラと原宿を歩いていると、和樹たちが写真展のチケットを売りさばいている場面に出くわした。デレデレと調子のいい和樹の様子を見て、うんざりした美緒はその場を立ち去ろうとする。と、そのとき、美緒は、羽村コージ(大東俊介)という男とぶつかった。コージは、ぶつかった拍子に落とした花束を拾うと、「ぶつかって友達になるなんて、ちょっとよくない?」と、その中から一輪の花を抜いて美緒に手渡した。コージは、近くの飲食店でアルバイトしているからよかったら来てほしい、と美緒に名刺を渡し、その場から立ち去る。美緒は、一度はコージからもらった名刺をゴミ箱に捨てようとしたが、「友達」という言葉に反応したのか、何故かそれを思い止まった。こっそり美緒の後をつけていた一流は、その一部始終を目撃し、少し落ち込む。
夕方、秋生は、蓮子(松雪泰子)からレクチャーを受けていた。今回、蓮子は、勉強になるのではと、美緒と同じ病気の患者のオペの第三助手に、秋生を指名したのだ。それが終わると、秋生は、オペのことではないが尋ねたいことがあると蓮子に持ちかけ、30分だけ食事に出かけることになる。するとそこに、美緒の姿があった。美緒は、病院を訪れたものの入るのをためらっておりい、そのまま帰ろうとしていた。蓮子たちに気づかれた美緒は、秋生のことを意識しながら、お酒に誘われたが飲んでも大丈夫か、と蓮子に尋ねる。蓮子は、そんな美緒に、アルコールは許可できない、と答えた。
同じころ、すべてのチケットを売りさばくことができた和樹が家に戻る。家にははるな(酒井若菜)も来ていて食事の準備をしていた。そこに戻ってきた一流は、美緒のことを和樹たちに言うべきかどうか悩む。
秋生と蓮子はカレー店にいた。美緒のことが気になるかと聞かれ、秋生はためらいながらも「これでよかったと思う」と答える。蓮子は「患者との距離は他人行儀でも近すぎても難しい。でも、それは誰でも通る道」と秋生を励ます。そんな蓮子に秋生は「この前、橋の上で先生をみかけた」と切り出す。すると、蓮子は、かつて自分が担当していた患者が病気が治らないことを知り、あの場所で自殺したのだと告白した。そして、その人のことが好きだったとも。「医師失格。本当はあなたのこと注意する資格ない」という蓮子に、何も返せない秋生。蓮子はそんな経験をしていたからこそ、秋生をオペチームに入れたのだ。
一方、美緒はコージの店の前まで行ってみた。すると、自分と同じ花を持った女の子たちが次々と店に入っていくのを見て、気持ちがしゅっとしぼんだ。
なかなか帰ってこない美緒を心配した和樹は、一流を問い詰める。とうとう一流は、美緒がナンパされたことを告げる。後をつけていたなどというのが恥ずかしかったから、なかなか言い出せなかったのだ。聞くやいなや和樹、一流、勝が飛び出してくると、そこに美緒が帰ってきた。
心配してくれた一流に対し、美緒は「後つけてくるなんてヘンタイ!」とののしる。それを聞いた和樹は、「ちょっとかわったヤツだけど、おれの親友なんだ。これ以上、一流のことを悪く言うのは許せない。謝れ! 謝れないなら出て行け!」と怒鳴る。「帰るトコなくて、誰かにつれていかれちゃうかもよ」とからかい口調で言う美緒に、今まで甘やかしすぎたと厳しい態度を取る和樹。美緒はそのまま家を飛び出していってしまう。
蓮子がひとりで仕事をしていると、そこに秋生がやってきて、さっきのことを謝り、これから頑張りますという。そこに急患が! 急患は美緒だったのだ! 苦しがる美緒に、蓮子は「何があったの?」と聞く。蓮子にはお見通しだったのだ。美緒は兄とケンカしたから一晩だけ泊めてほしいと頼むが、それはできないという。
蓮子は和樹に「迎えに来てほしい」というが、和樹は「今日は折れるわけにはいかない。病院を追い出してくれ」と頑なに拒否をする。
蓮子は美緒に「今日だけ」と言って、ベッドを用意してやった。その時、和樹が迎えにきた。蓮子は「美緒さんは手術前の大事な身体なんですから気をつけてください」と厳しく言う。しかし、和樹は、美緒は俺の妹であって、間違ったことをしたらハッキリ言うべきだときっぱり言う。蓮子は「これから気をつけてください」と少し笑う。和樹は、いつも迷惑かけっぱなしだから、力仕事や運転手とかそういうことは遠慮なく言いつけてくださいといって、そこを去った。
かえり、美緒に会っていこうかどうか迷っていると、秋生がきた。「会ってもいいですよ」という秋生に、「先生にお話があります」と和樹はいい、「医者としての立場はわかるが、美緒に優しい言葉をかけてやってください」と頼む。そして、秋生の返事を聞く前に、病院を後にした。
秋生はその足で美緒の病室に立ち寄る。と、目を覚ました美緒に、「明日帰れるといいですね」など優しい言葉をかける。すると、美緒は「お兄ちゃんに頼まれたんでしょ。嘘のつき方、教えてあげようか。とにかくホントだと思いこんで自分を騙す。それがコツ」と笑う。それでもぎこちない秋生に美緒は「嘘はね、こうやってつくの」と前置きをし、「私、先生のこと、好きになっちゃったみたい。先生にケジメつけるって言われてすごく寂しくて、本当に好きだって思ったんだ」と言う。それが嘘でないことは、美緒の顔を見れば明白だった。冗談で流すこともできず、何もいえないまま、秋生は病室を出た。
ひとり家に帰った和樹に、勝は、美緒の病気は相当悪いのかと尋ねるが、和樹が答えないでいると、「なーんてな」と話題を変えた。和樹はそんな勝に心の中で感謝をした。そんな和樹は、美緒が生まれて初めての告白をしたことなど、知る由もなかった。
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第1話
キャスト
福永美緒 [age20] / 井上真央(いのうえまお)病気療養のため、ロスにいた和樹の妹。
10年前に両親が離婚し、母親は美緒を引き取り、ロスに連れて行ったのだ。
この夏、完治のための手術を受けられることになったが、それは命にかかわる難しい手術で成功率は高くない。まだ20歳の美緒にとっては、手術はつらい選択だ。まだ恋もしたことがない美緒は、オペをする前に好きな事をしておきたい、どうせ死ぬなら思い残すことなく、なんでもしておきたいと日本にやってきたのだ。
以前はかわいらしい少女だったが、病気のために甘やかされ、今ではとても生意気でワガママな女の子になってしまった。そして、10年ぶりの兄との再会。
「美緒の願い事は、いつだってお兄ちゃんがかなえてやるよ」という昔の約束を思い出し、今まで出来なかったことを、ここぞとばかりに兄の和樹に要求する。美緒の手術のことを知っている和樹は願いを叶えるために奮闘する。美緒はステキな恋、そして最高のファースト・キスができるのか?
加納和樹 [age28] / 伊藤英明(いとうひであき)
美緒の兄。カメラマン志望だが、いまだアシスタント。
10年前に両親の離婚で別れ別れになるまでは、志高くカメラマンになる夢を持っていた。
しかし、父が新しい妻と暮らすために家を出、ひとり暮らしとなってからは、女たらしのだらしない生活を送っていた。それでも、なんとかプロになりたいと有名なカメラマンの弟子となった。が、その師匠とそりがあわず、仕事に限界を感じてもいた。
今は、仕事仲間でもあり、高校時代の部活仲間でもある、悪友の家に転がり込み、怠惰な共同生活を送っている。そこへ、妹の突然の帰国。10年振りの再会ということもあり、無理やり生活を取り繕うとする。しかし、和樹に劣らず、美緒も変わり、驚くほどのワガママ娘になっていた。こうして、ひと夏、そんな妹に翻弄されることとなる。
二階堂勝 [age30] / 阿部サダヲ(あべさだを)
和樹と同居中のスタイリスト・アシスタント。
高校時代、卓球に熱中していたが、あるきっかけがあり、ファッション界に興味を持つ。そして、無謀にもスタイリストの道へ。しかし、その才能はなかなか開花しない。今は後輩で、職場も同じところの一流の家に、和樹とともに転がり込んでいる。
進藤一流 [age28] / 劇団ひとり(げきだんひとり)
和樹と同居しているメイクアップアーティスト。こちらはアシスタントではない。
元々、親が所有していた家に一人暮らしをしていたが、高校時代からの悪友・和樹と勝が転がり込んできて、共同生活をするはめになった。家事は三人で分担するはずだったが、気がつくと、自分ひとりがやらされている……。
結城秋生 [age26] / 平岡祐太(ひらおかゆうた)
美緒の日本での担当医がいる白鷺大学付属病院の新人医師。
美緒のはじめての採血の際、「痛い!へたくそ」とののしられ、「嫌な患者だ」と思うが、どこか気になる存在で、不思議と心が通じ合うことも。その後も、何かと美緒の助けになることが多いが、ふたりとも、あえてつっけんどんな態度を取る。
斉藤はるな [age27] / 酒井若菜(さかいわかな)
銀行員で、ファッション雑誌の読者モデル。和樹のルックスに惚れていて、自分は彼と付き合っているつもりでいる。時折、お小遣いをあげたりしていたが、他に女がいることに気づき、「お金返して」と和樹の家を訪れる。そんなとき、美緒と知り合い、憎まれ口を叩きながらも何故か意気投合、人生初の親友となっていく。
番場大 [age50] / 竹中直人(たけなかなおと)
個性派の有名カメラマン。自分のスタジオを持っており、主な仕事はファッション誌のグラビア撮影。アシスタントに厳しく、衝突することも多い。和樹もその一人だったが、番場としては和樹の才能はどこか認めている。
高木蓮子[Age33] / 松雪泰子(まつゆきやすこ)
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