働きマン
[第11話]
12/19放送

松方弘子(菅野美穂)は、29歳の誕生日を翌日に控え、いつものように仕事に没頭していた。夜はあわただしく仕事を片付けると、友人の雅美(佐田真由美)とともに、同級生の結婚披露パーティに向かう。そこで、友人との再会を喜んだのも束の間、既婚の友達から、「独身は気楽でいい」「家族がいる自分たちは大変」などと言われ、「結婚することがそんなにエラいのか」といらだつ。

翌日、弘子は成田デスク(沢村一樹)から、痴漢容疑で取り調べを受けている小学校教師・竹田洋平(甲本雅裕)の取材に行くように言われる。「誕生日に痴漢ネタなんて……」と弘子は思うが、取材にいった先で、大手出版社・輝英社の 『週刊SPEAK』 のデスクである佐川亮一(羽場裕一)に声を掛けられる。
そして、彼から、新たに創刊される 『SPEAK』 の女性版 ・ 『WOMAN SPEAK』 のデスクとして輝英社にこないかと言われる。つまり、ヘッドハンティングだ。『SPEAK』 は、ゴシップや芸能ネタを扱うJIDAIのような雑誌ではなく、もっと社会派で、ゆくゆくは女性編集者も夢ではないとの言葉に弘子は魅力を感じる。
そして、ふと『JIDAI』を見て、入社して7年たつけれど、自分のやりたいことは本当にこれだったかと悩む。

そんな時、元彼の山城新二(吉沢悠)から突然、「会いたい」 と呼び出される。緊張しつつも期待しながら、待ち合わせ場所に行くと、新二は「九州に転勤になった」 と切り出した。
それは最低でも5年はかかるプロジェクトで、新二は「じっくり挑戦したい」とそれを希望したのだ。そして、弘子に「ヒロは今の仕事、ずっと続けるの?」 と問う。それに対し、弘子は何も答えられない。

雅美は「それは九州についてこい」ということでは? と言われ、弘子は結婚を意識する。

しかし、ヘッドハンティングのことを知った田中(速水もこみち)は「自分もファッションやりたいって夢があるから今の仕事が出来る。だから、挑戦する」という。それを聞いた弘子は、面接を受けることを決意する。

一方で、竹田の周辺を取材していくと、竹田と教え子たちが交換日記をしており、子供たちも「先生はそんなことする人ではない」と言っていた。弘子は、この痴漢事件は冤罪ではないかと思い始める。しかし、成田は「証拠がない」とつっぱねる。
弘子にしては珍しく、簡単に引き下がってしまったことで、転職のことがみんなにバレてしまった。弘子も決して、JIDAIが嫌いなわけではない。スタッフにも愛着がある……。

それでも弘子は面接を受けた。
そして、面接が始まろうとしたその時、田中から電話がかかってきて、痴漢の被害者の女は示談金目的で、以前にもお見合い詐欺でお金を巻き上げていたのだ。
それを聞いた弘子は、面接を蹴って、自分の取材へと走った。

そのことを知った編集長の梅宮(伊武雅刀)は、「オレが編集長になって、この雑誌で1度だってウソの記事を載せた事はねえ。お前たちの力で、真実をつかんでくれ!」という。
働きマンとなった弘子は、冤罪の事実をつかみ、ひとりの教師をすくった。

JIDAIをもっと大きくする――それが弘子の次の目標となった。田中は、そんな弘子に、「不器用に生きてる、そんな松方さんが好きですよ」とサラリという。
みんなに背中を押され、弘子は新二を見送りに行く。空港のロビーで弘子は新二に、「夢を追いかける」と伝える。と、新二は「また、いつかな」といって、弘子を抱きしめ、お互いにエールを送りあった。
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キャスト
松方弘子(まつかたひろこ) / 菅野美穂(かんのみほ)
大手出版社・豪胆社内にある週刊 『JIDAI』 の編集もの部員。
何事にも積極的で責任感も強く、中途半端が嫌い。一度仕事モードに入ると、“寝食恋愛・衣飾衛生”の観念が消失し、恋人・新二とのデートをすっぽかすほど仕事に没頭する。その、男顔負けのたくましい仕事ぶりから、女でありながら「働きマン」と呼ばれている。
強気の発言も多く、敵をつくりやすいが、仕事に対する情熱は人一倍強い。目標は「世界中に売れる雑誌をつくること」と「そのために30歳までに編集長になること」。好物は納豆巻き。
田中邦夫(たなかくにお) / 速水もこみち(はやみもこみち)
週刊 『JIDAI』 の新人編集者。入社1年目。
「仕事だけの人生なんか」と仕事を重視せず、「やりたいことをのんびりと」「夜は仕事をしない主義」など、徹底して個人主義を貫く構えを見せる男。もともと、ファッション誌志望のため、『JIDAI』の仕事は適当にこなしていればいいと考えている。
指導係の弘子と、なにかとぶつかることが多い。

成田君男(なりたきみお) / 沢村一樹(さわむらいっき)
週刊 『JIDAI』 編集部のデスク。弘子の直属の上司。
激務な週刊誌デスクでありながら、「踏み越えず」「適度に」「余裕を持って」を実行できる、生き方上手な大人の編集者。部下の仕事状況を常に把握し、冷静に指示を出している。梅宮編集長の片腕的な存在。

渚マユ(なぎさまゆ) / 平山あや(ひらやまあや)
週刊 『JIDAI』 編集部員。編集は2年目。
夢は、大好きな作家の小説を世に送り出すこと。弘子の「働きマン」としての姿を尊敬していて、いつかは自分も弘子のようになりたいと思っているが、『JIDAI』ではまだまだ駆け出し扱いで、きちんとした担当を任されていない。
色気のないことが悩み。

荒木雅美(あらきまさみ) / 佐田真由美(さだまゆみ)
歯科衛生士で、弘子の大学時代からの親友。
その美貌とフェロモンから恋人が途切れたことがないどころか、常に複数キープしている。
弘子が何でも話せる唯一の相手で、よきアドバイザー。
山城新二(やましろしんじ) / 吉沢悠(よしざわゆう)
弘子の4年越しの恋人。大手ゼネコン会社の社員。
優しく真面目な性格。現在はマンション建築の現場監督をしているが、本来やりたかった仕事とは違うため、行き詰まりを感じ始めている。それがやがて、弘子との関係にも影響していく……。
梅宮龍彦(うめみやたつひこ) / 伊武雅刀(いぶまさとう)
週刊『JIDAI』の編集長。
肝心なときになると、どこからともなく現われ、頼りになる一言をいう。
過去に有名な仕事をいくつも残している。「上からは叩かれ下からは突き上げられてしんどい」とこぼしながらも、編集長を続けているのは、単に「楽しいから」と言い切る、元祖・働きマン。

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