ジョシデカ〜女子刑事〜
[第1話]
10/18放送

どうしてこんなことになってしまったのか――。
畑山来実(仲間由紀恵)は考えた。

一ヶ月前、刑事課に配属になった来実は、コンビつぶしで有名なベテラン刑事桜華子(泉ピン子)の下につくことになった。
巡査部長の華子は3年間連続検挙率一位を誇るが、コンビを組んだ相手をノイローゼにしてしまうと有名だった。
このころ、被害者は、みな、左手に数字が書かれているという連続殺人が起きていた。
着任早々、強盗殺人が起き、来実と華子は現場に向かう。来実は拳銃の腕だけが取り柄だが、車の運転はできない、自分のことは「くるみ」と呼んでくれなど勝手に話し、華子にしてみれば、調子が狂いっぱなしだ。
と、現場に向かう途中、ブッシュ大統領のマスクをかぶった犯人らしき人物が乗る車があったにもかかわらず、「口を開くな」と言われたことで、来実はそれを黙ってみていた。スピーカーで止めようとするが、前を走る車はとまらない。ふと華子が気付くと、来実は犯人グループがのった車に拳銃を向けていた!

捜査会議で、「小学生を巻き込むと思ったから追跡はやめた」という華子に、捜査一課の柳田(田中哲司)は「だから女はダメなんだ!」とどなりつける。来実は「桜さんは検挙率ナンバーワンなのに、女はダメというんですか!」と反発しようとするが、華子はそれをおさえる。

家に帰った来実はぼんやりと警察学校時代の写真を見つめる。劣等生だといわれつづけていたのだが、岩代百枝教官(片平なぎさ)は、来実のたぐいまれなる射撃の才能をほめてくれたのだ。来実はその言葉を励みに、今まで頑張ってきたといっても過言ではなかった。

翌日からの捜査も、来実は華子の足をひっぱりまくっていた。
そんなとき、華子はとあるパチンコ店の前で足を止める。すると、そこで働いていた青年(村上ケイタ・いしだ壱成)は華子に頭を下げた。
華子と来実は、彼に聞き込みをする。村上は10年前、クリントンのマスクをかぶってコンビニを襲ったのだ。すると、村上はふうとため息をついた。
そのことを捜査会議で報告した来実と華子だったが、来実は、「彼は勤務態度もまじめで、更生している」という華子に付け足し、「彼はとっても目がきれいだった」と発言し、ひんしゅくを買う。

その夜、韓国人青年パク・ジウォン(リュ・シウォン)がお弁当の差し入れを持ってきた。彼は、華子が本当の息子のようにかわいがり、自分の家に居候させているのだ。来実の姿を見たパクに、「あなたは私の知っている人にとてもよく似ている」といわれ、来実は照れる。

村上は店をクビになった。前科があることがバレ、今回も警察に疑いをかけられていると知ってしまったからだ。ふてくされた村上が部屋に戻ると、同棲相手の佐藤有希(入山法子)が部屋を出て行こうとしていた。村上が警察にも自分にもウソをついていたからだという。村上は必死に止めるが、有希は「さよなら」と部屋を出ていこうとする。
すると、村上は、有希を失うぐらいならこのまま一緒に死のうと、有希に包丁を向けた。有希は必死に抵抗し、部屋から出ていく。

そのことを警視庁からの入電で知った来実と華子は現場に急ごうとする。が、運転のヘタは来実は華子の指示通りに動けない。とうとうキレた華子は運転をかわると、来実をおいていってしまった。落ち込む来実だったが、「刑事にとって一番大切なのは、折れない心だ」という岩代教官の言葉を思い出し、走って現場に向かう。

村上は川べりで有希に包丁を向けていた。華子たち刑事が追い詰めたところに、捜査一課から、コンビニ強盗の犯人が捕まったと連絡が入る。
華子はそのことを伝えるが、村上は「警察はいつもそうだ。やり直そうと思っても、事件が起こるたびに疑われる。今度こそ、真面目に働いて結婚しようとしていたのに、また仕事もクビになってしまった。だから死ぬ!」と息巻いていた。
そこにやってきた来実は拳銃を取り出す。一瞬、華子の「やたらと撃つな」という言葉が頭をよぎったが、いまにも包丁を振りおろそうとする村上に拳銃を向け、撃った。それは、村上の持つ包丁にあたった――。

もちろん来実は課内ではこってり絞られたのだが、捜査一課としては事を荒立てたくないらしい。なので、来実の処分は一週間のトイレ掃除だけとなった。

しかし、ほっとしたのも束の間、有希が自宅の風呂場に沈められ、死んでいた。彼女はついさっき、来実に「ありがとう」といったばかりなのに……。来実と華子には不可解な感覚がぬぐえなかった。

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10/18 第1話

キャスト
畑山来実 / 仲間由紀恵(なかまゆきえ)
この秋から、日暮署刑事課・捜査一係に配属された新人刑事。明るく、正義感が強く人情味があり、前向きでめげない。ただし、ちょっと天然ボケ。
視力は7.0で、抜群の動体視力を持っており、猛スピードで逃走する車と一瞬すれ違っただけで、運転手の顔を識別できる。また、射撃の腕にも優れているが、“危険回避のため”という勝手な判断で許可なしに発砲してしまい、上司の華子や青山課長の頭を悩ませる。
桜華子 / 泉ピン子(いずみぴんこ)
日暮署刑事課・捜査一係のベテラン刑事。
口も性格も悪いが、35歳の春に交通課から念願の刑事課に移動し、いまや検挙率は署内ナンバーワン。
刑事課にきてから18年間、同期の男たちが出世し、女性は次々と結婚して職場を去ってゆく中、「現場一筋、イチ刑事」として努力し現在に至る。地道な捜査スタイルから“ねばりの華子”のニックネームがあるほどで、アメとムチを巧妙に使い分けながら、幾多の事件を解決してきた。柔道は二段の腕前。
岩代百枝 / 片平なぎさ(かたひらなぎさ)
来実の警察学校時代の主任教官。
凛とした姿勢、確実に標的をものにする、正しく発せられる美しい日本語――そんな超人的な美しさにあこがれ、彼女のような女性警官になりたいと、来実が心から願う憧れの存在。

パク・ジウォン / リュ・シウォン(りゅ・しうぉん)
華子が若かりし頃、唯一愛した韓国人男性、パク・チョンスの忘れ形見。ジウォンは2歳のときに実母を亡くしている。そのころ、日本で仕事をしていたチョンスが華子と恋に落ちたため、ジウォンは華子のことを母親のように慕う。
ジウォンは、韓国でカメラマンをしていたが、あることがきっかけで“生きることへの意欲”をなくしてしまい、本当の母のように接してくれた華子を頼って、日本にきた。料理が得意で、日暮署の刑事たちは、ジウォンの差し入れを楽しみにしている。

青山光一郎 / 益岡徹(ますおかとおる)
日暮署刑事課・捜査一係の課長。
華子の三期下の後輩だが、猛勉強して警部になった。刑事のくせに臆病で、現場が苦手。実はかつて、仕事一筋に働く華子に憧れ「ボクと結婚してください!」とプロポーズしたことがある。
結局、あっさりとフラレてしまったが、華子はいまだにそのラブレターを持っていると、それをダシに脅されたりする。
吉井耕介 / 大倉孝二(おおくらこうじ)
日暮署刑事課・捜査一係所属。テレビ局が事件現場へくると、わざわざカメラに映ろうとしたり、派手な行動をとったりするミーハーな男。刑事ドラマに憧れて刑事を目指したので、現場で事情聴取する自分に酔いしれることもしばしば。

本田聡史 / 袴田吉彦(はかまだよしひこ)
日暮署刑事課・捜査一係所属。
いつも日焼けをしているマッチョ。時間があれば、署内でいつも筋トレをしている。ジャケットにアーミーブーツといういでたちだが、実は気が弱く、本当は殺人事件などには関わりたくないと思っていたりする。

高木潤 / 鈴木浩介(すずきこうすけ)
日暮署刑事課・捜査一係所属。
来実が来るまでは最年少で、雑事をいつもやらされていた。華子が指導者となったこともあるが、鬼のような特訓にも負けず、刑事として無事生き残っている。

川口卓也 / 金子昇(かねこのぼる)
警視庁捜査一課の刑事。
父親は警視正、祖父は警視長というエリート警察官一家に生まれた。イケメンだが、女性蔑視、所轄蔑視な部分があり、来実は「わけのわからないサル」、華子は「こうるさいオバサン」としか思っていない。


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