ライフ
[第11話]
09/15放送

椎葉歩(北乃きい)は、学校中の生徒から土下座コールをされている安西愛海(福田沙紀)の前に歩み寄った。

しゃがみこんで地面に付いた手を震わせていた愛海は静かに動き出す。そして――高らかに笑い、立ち上がると、目の前の歩を突き飛ばした。「なんで、マナがあんたたちに土下座しなきゃならないの?」と。

そこに、教師の岩城正志(矢島健一)がやってきて、生徒たちは教室に戻れと言われる。愛海は帰り際に戸田和佳絵(瀬戸朝香)に対し、「全部あんたのせいなんだからね。いつでもあんたなんか辞めさせられんのよ。あんたもマナのおもちゃなんだから」と脅す。
その時、職員室には佐古克己(細田よしひこ)が父親の敏克(勝村政信)を刺して逃亡しているとの連絡が入った。それを聞いて動揺する戸田。

屋上では歩や、羽鳥未来(関めぐみ)や薗田優樹(北条隆博)が愛海のことについて話していた。「標的が安西になっただけで、結局

はいじめだよ」とつぶやく薗田。歩たちは何も動けずにいた。

その夜、戸田は逃亡中の佐古に声をかけられる。戸田は佐古に警察に行くように勧めるが、克己は「おまえもつかえねえなあ」などと暴言を吐いて走り去っていく。

翌朝からクラスメートによる愛海へのいじめが悪化する。授業中には「次は安西」とのメモがまわり、教科書を捨てられ、弁当を投げられる。岩本みどり(末永遥)だけは必死でかばおうとするが、「あんただって同じようなことやってたじゃん」と言われる始末。

その様子を歩は黙って見つめていた。
トイレで、歩は愛海に「いじめられるって辛いでしょ。少しは人の痛みがわかった?」と声をかける。が、愛海は「自分は悪くない」と強気な姿勢を崩さない。

歩が「そんなことだとみどりだって離れていくよ」というと、愛海は「みどりは裏切らないよ。だって、あいつバカだから。利用されるほうがまだましでしょ」と言い放つ。それを個室トイレの中で聞き、涙を浮かべるみどり。
「そんなの友達じゃない!」という歩に、愛海は「あんたにマナの何がわかるの」とトイレから去る。

その頃、職員室には歩のカンニング疑惑をはらすため、文子(真矢みき)が訪れていた。「認められたらいかがですか」と軽くあしらおうとする岩城に、文子は「学校こそ事実を認められてはいかがですか」といじめられていることも話す。それでも岩城は「子供の問題は親の責任ですよ」と言い放つ。文子は戸田に「真実を見てください」と訴える。悩んだあげく、戸田は「私がやりました」と告白する。そして、佐古とつきあっていることをバラすと愛海に脅されたことも話す。
そこに、未来と歩が入ってきた。未来は「謝らなきゃいけないのはこの子ですよね。歩に真実を伝えてください」という。戸田は「今まで向き合おうとしなかった。自分の責任になるのがイヤで、いじめも見てみぬフリをしていた。私もいじめの加害者です」と認めた。そして、歩に「本当にごめんなさい」と頭を下げた。

その夜、愛海は、父・大治郎(小野武彦)から、「学校はどうだ? またいじめられてないか?」と聞かれる。愛海は「マナにはいっぱい友達がいるから大丈夫」と微笑んだ。
が、翌日、愛海が登校すると黒板には「死ね。土下座しろ」などの誹謗中傷文が書かれていた。そして、愛海は黒板消しを投げつけられる。「よくも利用してくれたな」と投げたのはみどりだった。登校してきた歩と羽鳥未来(関めぐみ)はただならぬ空気が漂っている教室の入口で立ち尽くす。
その時、そこに佐古がやってきた。ハッとする歩。しかし、佐古はくるっと視線を愛海に向け、じりじりと近づいていった。さらに佐古は、「最初からおれのことなんて、これっぽっちも思ってなかったんだよな。もう我慢するのはやめたんだ。おまえのせいでおれの人生めちゃくちゃなんだよ!」と、ナイフを片手に愛海に襲い掛かった!
愛海が目を閉じる。が、刺されていない。かわりに刺されたのは薗田だった。「おまえには人の痛みがわかんないのか!」とくいつく薗田。未来も「甘えんな!」と佐古を一喝する。

愛海へのいじめは、みどりを中心にエスカレートしていった。トイレで水をかけられたり、モップを顔につきつけられたり――。そこに歩がやってきた。みどりは「歩もやれば?」とモップを渡す。そのまま立ち尽くしていた歩に、愛海は「やるならやれば? 私、あんたに謝るつもりなんてないから」と強気な姿勢をくずさない。「今さら謝られたって、許すつもりなんてないから」と歩はモップを振り上げた。思わず目をつぶる愛海。が、歩はモップを投げ捨てた。それを批判するみどりたちに、歩は「私はイジメなんてしない。あんたたちがやってることだって犯罪でしょう? それが強いって言うなら、私は強くなんてならなくていい」と言う。愛海はそれでも、歩に「そんなきれいごとばっかりのあんたがむかつく。アンタなんていなければよかったのに!」と怒鳴りつける。そのまま、その場を去ろうとする愛海の後ろ姿に、「嬉しかった。入学式のあと、声をかけてくれて。愛海には信じてほしかった」と歩は声をかける。そして、「愛海には本当の友達はいるの……?」と問いかけ、そのままトイレを出て行った。ひとり残された愛海は、クラスメイトと撮った数々のプリクラ写真を眺め、涙を流していた。
一方、歩がトイレから出てくると、未来と薗田が待っていて、歩を迎えてくれた。本当の友達が歩にはいるのだ。

そして――それぞれの新しい生活が始まった。
歩は夕子(大沢あかね)とも仲直りでき、新たなる学校生活が始まろうとしていた。
しかしある日、愛海が登校すると――目の前に落書きされた机が落ちてきた。それは愛海の机だ。見上げると、みどりたちが「おめえの席はねえから!」と叫んでいる。愛海は何も言い返さずに、帰ろうと振り返った。しかし、そこには歩、未来、薗田が立っていた。彼らは何も言わず、机や荷物を拾う。歩は愛海に「私、愛海のことを許したわけじゃない。でも、いじめはもっと許せないから」と言い、そして、いじめの首謀者であるクラスメイトたちを鋭い目で見上げた。
09/15 第11話


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キャスト
椎葉歩 / 北乃きい(きたのきい)
愛称はアユム。西館高校の1年生。父・母・弟の4人家族だが、父親は単身赴任中。
親友である篠塚夕子と同じ高校に入りたいがために夕子に勉強を教えてもらっていたが、高校受験の結果は歩が合格、夕子が不合格という皮肉なもの。逆上した夕子が投身自殺を図ったという精神的に追い詰められた過去を持つ。
明るく、相手の気持ちを思いやれる優しさがある。勉強は好きではないが真面目。勉強ができる弟に劣等感があり、弟ばかりかわいがる母親に対して寂しさもある。人に嫌われるのが怖かったが、未来と出会い、いじめに立ち向かっていくように。逃げない歩の姿勢は、やがてクラスメートの心を動かしていく。
安西愛海 / 福田沙紀(ふくださき)
愛称はマナ。西高の1年2組。お金持ちのお嬢様で、明るく社交的ではあるが、喜怒哀楽が激しく、思いこみだけで他人を振り回す。常に自分がみんなの一番でなくてはイヤだが、恋人・克己からもらったネックレスを大事にする一面も。
歩に誤解を抱き、いじめ始めるが、やがてそれが楽しくなってしまった。幼い頃から両親が忙しく、自宅でひとりでいたため、「ひとり」ということに恐怖心がある。いつも誰かに構っていてほしいと願う寂しがりや。
佐古克己 / 細田よしひこ(ほそだよしひこ)
西高の1年生で愛海の恋人。
表面上は成績優秀で性格もよく、爽やかな笑顔を振りまいている。しかし、裏ではSM写真を集めており、常にデジカメを持ち歩いている。。
愛海とは親の会社の関係で一応、交際をしているが、実は何とも思っていない。父親に頭の上がらない不満を抱えており、歩をその捌け口にしている。何かと目をかけてくれる教師の戸田をうまく利用することも。穏やかに他人の意見を聞いているようで、実は何も受け入れない。
戸田和佳絵 / 瀬戸朝香(せとあさか)
西高1年2組の担任で、担当教科は英語。
教師になった当初は、生徒から信頼されたいと思っていたが、新人の頃に率先してイジメ問題に取り組み、失敗。保護者や同僚、いじめられた生徒にまで非難され、理想だけではやっていけないと思う。そして、面倒なことは避けたい、ことなかれ主義のサラリーマン教師に。
今では生徒への愛情のカケラもない。副担任の平岡の真っ直ぐさが気に入らず、ついきつく当たってしまう。
羽鳥未来 / 関めぐみ(せきめぐみ)
西高の1年生で、歩の憧れの人。寡黙で知的な美人。自分が他人にどう思われているかなど気にしないため、周りとつるむことはない。言葉はきついが、相手の痛みがわかり、自分にも他人にも厳しい。
病気の父に代わり、バイトで生計を立てているため学校は休みがち。キャバクラ、喫茶店、ポスティングなどかけもちで働いているものの、成績は常にトップクラスの努力家。
歩の手助けをし、後にかけがえのない友達となる。
篠塚夕子 / 大沢あかね(おおさわあかね)
愛称はしーちゃん。歩の中学時代の元・親友。頭が良く、面倒見がよいため落ち込んだ人を見ると励ましてあげるお姉さんタイプだった。自分の弱さを人に見せないので、その分、ストレスを溜めてしまう。
西高に入ることが憧れであり目標で、歩の良き理解者であったが、西高に歩だけ受かってしまったことで、彼女に憎しみを抱き、投身自殺(未遂)をはかる。
廣瀬倫子 / 星井七瀬(ほしいななせ)
岩本みどり / 末永遥(すえながはるか)
宇田里絵 / 夏目鈴(なつめりん)

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