琴光喜が一転、賭博関与を認める日本相撲協会「賭博関与者は65人」

日本相撲協会は14日、全協会員を対象にした賭博の実態調査の回答結果を発表し、野球賭博は大関琴光喜（34）＝佐渡ヶ嶽＝を含む29人、野球以外の花札、マージャン賭博、賭けゴルフに36人、計65人が賭博行為に過去5年以内に関与していたことが明らかとなった。
琴光喜はこれまで関与を否定してきた野球賭博への関与を一転して認める上申書を提出した。
警視庁は必要に応じて事情聴取を行う方針で、協会は15日に両国国技館で緊急理事会を開くが、賭博関与者への処分は、警察の捜査状況をみて判断する見通し。

「賭博関与者は65人」
実態調査の結果、角界の信用問題に大きく関わる深刻な数字が浮き彫りとなった。
野球賭博が29人、花札・マージャンなどが36人。
すでに報道されている琴光喜以外は、警察の捜査に支障をきたすとした上でその氏名や内訳を明かさなかった。
職員を除く全協会員976人（五月場所時点）のうち、約7%が何らかの賭博に関与していたとするこの数字は決して小さくはない。
日本相撲協会は14日に賭博関係者の名前などを記した資料を警視庁に提出。
特に、琴光喜の賭博関与の反響は大きく、警視庁組織犯罪対策3課は、近く琴光喜をあらためて事情聴取する方針を固めた。
関与の程度や暴力団関係者との関係について捜査を本格化させる。

15日に緊急理事会を開く武蔵川理事長（元横綱三重ノ海）は琴光喜について「警察に報告し、お任せしている。（独自に）処分できないでしょう」と処分を保留にする意向を説明。
これまで頑なに関与を否定してきた琴光喜。
一転して関与を認めた背景には「6月14日までに賭博への関与を申し出た者は厳重注意処分にとどめる」という協会の方針が示されたこともあった。
しかし、警察の捜査結果を待つ方針に変えられたこともあり、重い処罰が下される余地は残っている。
暴行問題から引退を求められた朝青龍や、暴力団観戦問題で2階級降格と事実上の部屋閉鎖処分を受けた木瀬親方（元幕内肥後ノ海）のように、これまで角界の信用問題に関わる一件では厳重な処罰が下されている。
野球賭博に手を染め、これまで虚偽の証言を続けた琴光喜だ。降格以上の重い処分、つまりは解雇の可能性は極めて高い。

千葉県松戸市内の自宅で、琴光喜は進退について「協会に任せている。期待を裏切って申し訳ない」とデイリースポーツの取材に話した。

(2010年6月15日)

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