ボルト、おやすみポースで余裕の準決勝進出

陸上の世界選手権第ベルリン大会、男子100メートルで9秒58の世界新記録をマークしたウサイン･ボルト（ジャマイカ）が、同200メートル1次予選を軽々突破。

2次予選も危なげない走りで20秒41で1組1着となり準決勝へ進出した。

1次予選を突破した日本勢の高平慎士（富士通）と藤光謙司（セーレン）は、2次予選で姿を消した。

ボルト･ショーの第2幕は、リラックスムードの中で開演した。

午前10時すぎに始まった男子200メートルの1次予選。

名前をコールされたボルトは「まだ眠いよ」と言いたげに両手を枕にした"おやすみ"ポーズでおどけ、スタート直前には右手で口を覆ってごまかしながら、あくびをする余裕まで見せた。

ピストルへの反応時間も0秒183と遅く、スタートは最下位。

それでも楽々とトップに立ち、力を調整しながら20秒70で5組を1着で通過。

100メートルで銀メダルを獲得し、200メートルでは今季世界ランク1位の19秒58をマークしていたゲイ（米国）が、股関節の不安を理由に欠場。

「対戦が楽しみ。ライバルだけど無視したりとかはないし、クールな関係なんだ」

実力を認めていた強敵が消えた今、ただ勝つだけでは誰も納得しない。

狙うは昨年の北京五輪で叩き出した世界記録19秒30の更新。今季は練習不足の200メートルだが、7月には雨と向かい風の中で19秒59を出しており、どんな記録が出ても不思議ではない。

(2009年8月19日)

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