何故民放のテレビ番組はACのCMばかり放送するのか!?

民放各局で東日本大震災に関する緊急報道番組が相次ぐ中､15日頃から序々に通常放送が復活しつつある｡
テレビ東京ではいち早く､13日(日)から『日曜ビッグバラエティ』『ソロモン流』他バラエティー/情報番組を流し､フジテレビ系でも14日深夜『たけしのコマ大数学科』を放送､日本テレビ系では15日『火曜サプライズ』『踊る!さんま御殿』とゴールデンタイムを通常のレギュラー番組に戻した｡

番組をご覧になった方はお分かりかと思うが､画面左側をL字型に縁取り､交通情報や原発に関する最新情報を映していると同時に､CMがやたらAC(公共広告機構)ばかりなのが目に付くはず｡

｢こんにちワン｣｢ありがとうさぎ｣を"魔法の言葉"として子供たちに訴えかけるものや､仁科亜季子･仁科仁美親子が登場し女性達に乳ガン検診を呼びかける内容など数パターンあり､それらがリピートされている状況｡
視聴者によっては､あまりに同じCMばかりを見聞きする事にウンザリした人も少なくない｡

眞鍋かをり出演の『プロアクティブ』や"お値段以上"をキャッチフレーズにする『ニトリ』など一部通常CMを目にするシーンもあるが､やはり8～9割以上はAC又は携帯電話各社の｢災害用伝言板｣だ｡

そもそもAC(公共広告機構)とは､正式名称を社団法人ACジャパンといい､1971年7月7日に設立された特例社団法人｡
放送業界･新聞業界･広告業界など約1200社を会員に持つ､いわばボランティア団体で会員企業から集めた資金を元に活動を行っている｡

CMは1年毎に毎年7月更新｡"民間の広告ネットワーク"をスローガンに掲げている通り､通常のCMと違い､商品等の宣伝を行うわけではなく､一切の営利目的を除いた我々日本国民がより良い生活が送れるよう支援する内容を取り扱う｡

『モデルプレス』によると､現在70%以上の企業がCM放送を自粛している為､テレビ局側も唯一の選択肢としてACのCMを連続してOAせざるを得ない状態だという｡
3月16日にはACジャパンがオフィシャルサイト内で謝罪文を掲載｡

｢未曾有の大惨事となったこの度のことを受けて､多くの企業がCMの放送を自粛され､ACジャパンのCMが放送されることになりました｡これらのCMはかならずしも非常時に対応できるようには作られておりません｡そのため､視聴者の皆様に大変ご不快な思いをおかけしましたことを､心より深くお詫び申し上げます｡｣

既出のとおり､ACのCMは毎年7月に更新される｡よって現在放送されているのは2010年7月に更新､制作はそれ以前の期間ということになる｡
視聴者からはクレームが殺到しているそうで､AC側も以下の見解を述べた｡

｢ACジャパンでは『東北地方太平洋沖地震』で被災された方々を応援する臨時キャンペーンCMを企画･制作中でございます｡
被災地の方々におかれましては､一日も早い復旧がなされますことをお祈りいたしますとともに､ACジャパンでは広告活動を通じて支援活動を続けていく所存でございます｡｣

同じCMばかりでウンザリするのも十分理解出来るが､しばらくの間は｢ぽぽぽぽぽーん｣のセリフを耳にする日が続きそうだ｡

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