左翼外野手ゼロ! 侍JAPANに北京の悪夢再び…

3月5日まであと1ヶ月。
いよいよ国内も第2回ワールド・ベースボール・クラシック開幕モード。
しかし、北京での借りを返すと選手たちが意気込む中、
ここにきて新たな問題が浮上してきた。

それは記憶にも新しい北京五輪での“G.G.佐藤守備問題”だ!

“G.G.佐藤守備問題”とは、北京五輪において本来右翼の守備を担当しているG.G.佐藤が左翼を担当したところ、
五輪通算で痛恨の3失策。
メダルを逃したのはこの3失策が理由とまで非難を浴びた。

しかし、なんと今回のWBCでも同じような事態が起こってしまうかもしれないというのだ。

それは代表率いる原監督の人選が大きく関わってくる。

今回外野手として選考に残っているのはイチロー（マリナーズ）、福留（カブス）、青木（ヤクルト）、内川（横浜）、亀井（巨人）、そして稲葉（日ハム）の6名。

実力から考えて、右翼にイチロー、中堅に福留はほぼ確定。
そうなると左翼を残りの4名のいずれかが担当することになる。
しかし、この4名の中に1人も左翼を本職とする選手がいないのだ。

左翼も中堅も右翼も守備するにあたって、大して変わらないだろうと思う方も多いかもしれないが、
これが実に難しい。

現に3日に行われた日本ハムの沖縄・名護キャンプで、
WBCを想定し左翼の守備練習を行った稲葉は慣れない守備位置に大苦戦。
飛んできた球を何度も後ろにそらすなど見るも無残な状態で、
本人も不甲斐なさに「全然ッスね。しかし、ひどかった」と苦笑した。

稲葉は決して守備の苦手な選手ではない。
むしろ守備能力に定評のある選手で、2006年から3年連続でゴールデングラブ賞を受賞している名手だ。

それなのに何故?

稲葉はこう語る。
「全く違うんでね。足をどう動かしていいのか(分からない)。捕って素早く(送球が)ができない。レフトだと回転して（内野手へ）投げることが多くなると思うし。フライも違いますね」

今まで体が覚えている動きと全く異なる動きの為、スムーズな動きができないというのだ。
それを聞くと、北京でのG.G.佐藤の守備内容に関しても納得がいく。

失策を追及するより、そのポジションに専門外の選手を配置した指揮官の方にどうやら問題がありそうだ。

残り1ヶ月となった第2回WBCの開幕。

果たして原代表監督は今回の大会で左翼にどの選手を起用するのか。
そしてどのような対策を打ってくるのか、注目して待ちたい。

(2009年2月5日)

その他のBASEBALLニュース