池上彰が4月になってもテレビに出続けるワケ!

｢3月いっぱいで全てのテレビ･ラジオ番組への出演を休止｣
民放各局からまさに引っ張りだこ､各局がこぞってゴールデンタイム3時間～4時間の枠を注ぎ込む"視聴率男"のジャーナリスト･池上彰が同発表をしたのは年明け早々のことだった｡

番組降板の理由を｢ニュースを分かりやすく解説する番組が増えてきた｡私の役割は終わった｡今後はいちジャーナリストに戻ります｣と本業である取材･執筆活動に戻すと述べ､謙虚な姿勢がまた一段と好感度を上げていた｡

ところが蓋を開けてみると､4月に突入しても3日にテレビ東京系『池上彰の世界を見に行く』と世界情勢を取り扱うワイドショー特番に出演し､6日には冠番組『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』3時間特番にしっかり顔を出している｡
視聴者の中には､｢話が違うじゃないか｣と疑問に思った人も少なくないはずだ｡

事の真相はというと､池上彰が心変わりしたわけでなく､3月11日に発生した東日本大震災を受けてテレビ出演終了を延長すると3月29日に大手マスメディアを中心に発表｡

未だ多くの日本国民が不安と隣り合わせの生活を余儀なくされる状況下､彼も一身上の理由で番組を去るよりも日頃応援してくれる視聴者へ貢献すべく､最新地震情報をお馴染みの噛み砕いた説明で全国民へ伝えようと奮闘する決意を固めたのである｡

唯一タイミングが悪かったのは､同日放送されたフジテレビ系『教えてMr.ニュース池上彰のそうなんだニッポン』にて､池上彰は視聴者へ向けてラストメッセージを贈っていたこと｡
テレビの価値､テレビの存在意義､テレビ局社員の責務等､35年以上に及ぶ経験から語られた数分間のコメントは重く､業界内でも耳を傾けた人は多いだろう｡

"最後のテレビ出演"とほぼ同時に"延長"が発表されて少々戸惑っている方もいるかもしれないが､地震特番以外にも不定期の特番や次回の国政選挙施行時にテレビ東京系選挙特番に出演することも概ね決定済｡

結局､｢テレビ･ラジオ番組への出演を休止｣は､冠番組を持たせてくれたテレビ朝日と2010年7月の参議院選挙で特番司会を託して自身の評価アップに繋がったテレビ東京以外の局にはもう出ないという意味なのか｡

しかしフジテレビ系では4月11日に『池上彰緊急解説復興への道SP』が放送予定｡
となると､『教えてMr.ニュース池上彰のそうなんだニッポン』における"ラスト"メッセージが､どこかお粗末にすら感じられてしまう｡

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