おせん
[第5話]
近頃の江崎(内博貴)は違っていた。一升庵に馴染み、朝から張り切る毎日。今日も朝早くから起きて、おせんの朝風呂の用意やや仕込みの準備などパワー全開だ。05/20放送
しかし、張り切り過ぎて、おせん(蒼井優)がとても大切にしている皿を割ってしまい、うろたえる。ところが、運が良いのか悪いのか、そこに大きな地震が起きて、皿の割れたのが“地震のせい”となってしまう。
自分が割ったとおせんに告白しようとする江崎だったが、邪魔が入ったり、おせんが外出してしまったりと、なかなか言い出せない。そんな中、おんな大工・丁子(もたいまさこ)が、一升庵の家を点検しに来てくれた。しっかりと建てられた一升庵は、大きな地震でもビクともしておらず、おせんも一升庵の皆もホッと一安心した。一升庵は、名工と言われた丁子のひいじいさんが建てたものだった。丁子はその跡を継いで、ひいじいさんの建てた家を仕立て直しすることを仕事としていた。
そんなところに、木下(松方弘樹)がおせんを訪ねてやってくる。実は、木下の娘・カンナ(佐田真由美)一家が東京に転勤になったので、木下と一緒に暮らすことになったが、丁子のひいじいさんが建てた木下の家を壊して、「新築2世帯住宅に立て直す」と娘が主張してきたと言う。
「古い家を守りたい!」娘の言うことにはかなわない木下が、おせんから説得してもらえないかと頼みに来たのだ。カンナは「丁子のところより、安くて、早くて、お洒落な家ができる」と、美しいパンフレットを持って提案してきた住宅メーカーに立て直させると一点張りだった。
しかしその住宅メーカーは、きれいなパンフレットと営業で仕事をとるが、「見積もりはあくまで見積もりで、オプションで値段を上乗せしていき、手抜きだってしらんぷり」という会社だった。丁子は、住宅メーカー「帝都ホームズ」に直談判に行くが、営業マンの郷田(升毅)と翼山(岡本光太郎)にバカにされて追い返される。
「あたしみたいな人間は、もう世の中には、いらないのかもしれないね…」
ショックを受ける丁子を見て、おせんたちは立ち上がった。木下とカンナ、帝都ホームズの郷田・翼山が新築工事の契約を交わすため、一升庵にやってきた。常連さんの木下でさえ初めて見る「きれいなお品書き」が出され、そこには「はっきりとした安い値段」が書かれていた。
注文した品々は名陶に盛りつけられ運ばれてくるが、木下はその料理やもてなし方に違和感を覚える…。お造りを頼んだ郷田は醬油がないので「醬油をいただけますか?」と頼む。帝都ホームズの2人は、さすが一升庵!さすが一流!と喜んで食事をするが、木下とカンナは顔を見合わせる。
食事も追え、終え契約を運ぼうとするが、「まずはお勘定を!」と2人に勘定書を差し出す。そこにはなんと、15万円もの請求金額が書かれていたのだ。「品書きと余りにも違う!」驚く2人を尻目に、おせんは隣の間のふすまを開ける。隣の間では、スーパーで買ってきたお惣菜やデザートを盛りつけている板前たちがいた…。
「最近は、何でも外で売っているので便利ですね〜。料理をしなくても済みます」汚染の言葉に激怒する帝都ホームズの2人。「買ってきた惣菜や刺身に、金が払えるか!」声を荒げる。それに対しておせんは、「お品書きはスーパーで売っている金額です。それに、商店街までの足代、板前たちの盛りつけ代、名陶使用料、仲居の人件費を含めると、この値段。きれいなお品書きで客をその気にさせて、オプションで何倍もの請求を出す。あなた方の商売と一緒でしょう!」と鋭く反論する。
おせんはカンナに向き直ると改めて、新築を考え直してほしいと頼む。カンナは、おせんの真剣さに「わかった」と返事をした…。
木下の件がひと段落したところで、江崎はみんなの前で皿を割ったことを正直に話し、割れた皿の欠片を差し出した。おせんは江崎の差し出す割れたお皿の欠片を見ると「これを、探してたんです」とニコリ。おせんは割れた皿を、「金継ぎ」という技法で修復するつもりだったのだ。割れたものを金継ぎで修復することは、名陶の格を上げることがあるのだと言う。
木下と丁子を招待し仲直りの会席を用意した一升庵では、「金継ぎした皿」で料理を出そうと、おせんが準備をしていた。割れて、元通りになって、新しい器になった、名陶を見つめる笑顔のおせん。料理が出された木下と丁子も嬉しそうだった。
06/24
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第1話
キャスト
半田仙 / 蒼井優(あおいゆう)老舗の料亭「一升庵」の若女将でドラマの主・・・
江崎ヨシ夫 / 内博貴(うちひろき)
23歳。有名レストランに勤める料理人だっ・・・
藤城 清二 / 杉本哲夫(すぎもとてった)
43歳。一升庵の板長。一見コワモテだが実・・・
竹田 留吉 / 向井理(むかいおさむ)
26歳。一升庵の二番板。おせんを崇拝者で・・・
鈴木 テル子 / 鈴木蘭々(すずきらんらん)
おせんの料亭「一升庵」の仲居。新潟の米農・・・
久保田 冬子 / 工藤里紗(くどうりさ)
24歳。一升庵の仲居。新潟の実家は日本酒・・・
脇坂 玉子 / 森田彩華(もりたあやか)
20歳。おせんの「一升庵」の仲居。実家は・・・
珍品堂さん / 渡辺いっけい(わたなべいっけい)
46歳。おせんがひいきにする骨董品店「珍・・・
浅井 シズ / 余貴美子(よきみこ)
52歳。おせんの料亭「一升庵」の仲居頭。・・・
半田 千代 / 由紀さおり(ゆきさおり)
60歳。「一升庵」の先代女将で、おせんの・・・
木下 秀雄 / 松方弘樹(まつかたひろき)
63歳。調理師学校「木下クッキングスクー・・・
長谷川 健太 / 奥村知史(おくむらともふみ)
20歳。おせんの料亭「一升庵」では下っ端・・・
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