3年B組金八先生〜2007
[第1話]
桜中学で3年B組の担任をしている坂本金八(武田鉄矢)だが、最近、娘の乙女(星野真里)や幸作(佐野泰臣)が自分に隠し事をしているようなのがどうも気になる。10/11放送
そんなある日の登校中、金八は理科教師の遠藤達也(山崎銀之丞)が痴漢容疑で捕まったという知らせを受け、学校に走った。と職員室は騒然となったが、そこに遠藤がやってきた。鹿島田浩二校長(浅野和之)が、遠藤は真犯人を捕らえようとして痴漢と間違われたと説明する。
金八は遠藤の行動を教師として当然のことだと主張するが、校長や副校長の北尚明(金田明夫)は、正義感からリスクを犯した遠藤を激しく非難する。校長たちは『学校希望選択制』が導入されたことで、桜中学の評判が下がることだけを気にしていたのだ。
3年B組に行った金八は美術教師・立花かおり(藤澤恵麻)に頼まれた夏休みの課題で生徒たちが描いた「私たちの街」という作品を返却し、その中から5名だけは、市の絵画コンクールに出品されるのだと話した。
その後、3Bは後期の学級委員を決めることになる。立候補をした長谷川孝志(坂本優太)に、生徒のひとりが「内申がよくなるから立候補したんだろう」と責める。孝志は何も言い返すことができなかった。
結局、立候補者が何名も出て、投票で学級委員を決めることになった。
数日後、3Bの生徒のひとり・長谷川孝志(坂本優太)の母が桜中学へ乗り込んできた。 夏休みの課題で孝志が描いた絵に対する立花の評価に納得できないというのだ。「なぜだ」とつっかかる孝志の母に、「美術展に出品するにはふさわしくない。自分の評価に誤りはない」と言い張る。孝志の両親は校長や副校長を巻き込み、立花の評価が不公正だと主張し、「新任の教師を野放しにしておくのは、学校の責任問題だ! 教育委員会に訴える」と激高する。
立花は、自分を慰める金八に、孝志の提出した絵は、そのテクニックや個性から、本人が描いたものではないと指摘する。
「やっぱりね。あの親たちはそのことを知らないでしょうね」と金八は言う。孝志はマジメな子だから、何か理由があったのではないかと心配する立花に、金八は「あなたはきっといい先生になりますよ」と笑う。
職員会議で、校長は来年度の桜中学の入学者が30数名であることを発表した。そのため、校長は進学率を上げ、部活動に専門の指導者をおくという改革案を出した。金八は反対するが、保健の本田知美(高畑淳子)までが、「このまま30人をきってしまったら、B組は存在しなくなるんですよ」という。
学級委員の選出選挙で、学級委員になれなかった孝志は、ひとり土手で、夏休みの課題だった絵を眺めていた。そして、思い立ったようにビリビリとそれを破いた。
そこに金八が通りかかり、孝志の横に座る。高志は立花がどうなるかを気にしていたが、金八は「大丈夫だ」と笑いとばす。そして、自分に投票しなかった孝志に「おまえの本当の気持ちを見た気がして嬉しかった。男らしかった」と話す。すると、孝志は走って行ってしまった。
一方、金八は卒業生のところを回り、来年、中学生になる子がいるっていうOBをしらないかと聞く。が、卒業生からは校舎は改築したて、冷暖房完備で人気の新谷二中に行くと言われてしまう。
数日後、授業中に江藤清花(水沢奈子)が倒れた。緊急に運ばれた病院では、エコノミークラス症候群だと診断される。
そして、その夜、警察に補導された。補導は始めてだったから大事にはならなかったものの、毎晩、ネットカフェに泊まっていたことが露呈した。狭い部屋で窮屈な姿勢で寝ていたから、エコノミークラス症候群になってしまったのだ。
金八は、清花に注意を向けていなかったことを悔いる。彼女は成績もよく、部活動も一生懸命にやる、いわゆる“いい子”だったから、特に気にしていなかったのだ。
金八が清花の家を訪ねたとき、そこで異常な光景を目にした。清花の母は、清花の弟ばかりに執着し、清花のことなど放りっぱなしだったのだ。
その帰り道、金八が繁華街を歩いていると、ぶらぶらと歩いている清花に出会った。
金八と清花はそのままネットカフェに行く。隣の部屋で「裏サイト桜中3B掲示板」を閲覧している清花に金八は一生懸命語りかけた。最初は何も答えなかった清花だったが、次第にぽつりぽつりと話をしはじめた。中学受験に失敗してから、両親は口をきいてくれなくなった、自分なんか産まれてこなければよかったと清花は涙を流す。
朝になり、金八は清花と一緒に彼女の家まで行った。そこで、弟のために清花をののしる清花の母親に説教をする金八。清花の母は「育て方がどうのなんていわれたくないです!」と金八に言う。すると、金八は、親は子供を見栄やプライドではなく、しっかり守るべきだ! と言い、「どうかお願いします」と頭を下げる。
金八は授業で茨城のり子氏の「ギラリと光るダイヤのような日」という詩をとりあげ、「生きてるって思える瞬間があるか?」と生徒たちに問う。それぞれ答える生徒たちに「なぜ生きていくのかがわからないのに、なぜ勉強をするのか」とさらに問いかける。あたりまえのことというのは、実はあたりまえじゃないのではないかと。その証拠に昨年の自殺者は3万人以上いる、これはいってみれば、戦場より悲劇的だと。そして金八は、ホームページと称して、「私」と名づけたノートに、自分の名前をかき、筆記用具で書き込みをしなさい、そして、文章の中に、必ず「私」という主語を書きなさいと告げる。
その後、金八の机には、清花のノートが置かれていた。そこには「本当に生きてみたい」という清花の心の叫びが綴られていた。
翌朝。真っ赤な洋服を着た少女が土手を歩いていた。それは3Bの転校生だった――。
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キャスト
本田知美 / 高畑淳子(たかはたあつこ)坂本金八(さかもときんぱち) / 武田鉄矢(たけだてつや)
東京都足立区立桜中学の3年B組担任。国語・・・
坂本乙女 / 星野真里(ほしのまり)
北尚明 / 金田明夫(かねだあきお)
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